はじめに
業務の中でこんな場面はありませんか?
- 顧客情報をスプレッドシートやデータベースで管理している
- メール配信には別のツールを使っている
- 毎回コピペで連携していて、うっかり忘れやミスが起きてしまう…
こうした「異なるクラウドサービス間の連携」を、誰でもノーコードで自動化できるのが、今回紹介する n8n(エヌエヌ) という自動化ツールです。
この記事では、具体例として以下の構成を使って解説します:
- 顧客情報の管理:Airtable(エアテーブル)
- メール配信ツール:Benchmark Email(ベンチマーク・イーメール)
- 自動連携の仕組み:n8n
AirtableとBenchmark Emailって何?
Airtableとは?
Airtableは、「スプレッドシートのように使えるデータベース」です。Excelのような見た目でありながら、データベースとしての構造と柔軟性を持ち、顧客・プロジェクト・在庫など様々な情報を直感的に管理できます。
Airtableの概要を詳しく知りたい方はこちらから👇
Benchmark Emailとは?
Benchmark Emailは、メールマガジンやキャンペーン配信を自動化できるクラウド型のメール配信サービスです。
無料プランでも多くの機能が使えるのが特徴で、HTMLメール作成・リスト管理・自動配信などをサポートしています。
Benchmark Emailの概要を詳しく知りたい方はこちらから👇
今回のゴール
Airtableで新しく顧客データが登録されたら、Benchmark Emailの指定リストにその情報を自動で登録する仕組みを作ります。
これによって:
- 手動での転記・登録作業が不要になる
- 初回メール配信がすぐに始められる
- 情報の取りこぼし・二重登録などのミスもなくなる
事前準備
| ツール | 用途 |
|---|---|
| Airtable | 顧客情報を記録するテーブル(例:Contacts) |
| Benchmark Email | 顧客を登録する宛先リストを作成(例:New Leads) |
| n8n | 自動化のワークフローを構築(クラウド or ローカルどちらでもOK) |
| Airtable PAT | ベースを対象に含めたパーソナルアクセストークン |
| Benchmark APIキー | Benchmark側で発行するAPIキー(ヘッダー認証に使用) |
🔗 AirtableのPAT取得方法はこちら:
🔗 Benchmark APIキー取得方法はこちら:
Airtableの構成
使用ベースとテーブル
- ベース名:
Customer CRM - テーブル名:
Contacts
使用フィールド
| フィールド名 | フィールドタイプ | 説明 |
|---|---|---|
FirstName | シングルラインテキスト | 顧客の名前(登録必須) |
| LastName | シングルラインテキスト | 顧客の姓(登録必須) |
Email | Email | メールアドレス(登録必須) |
⚠️ AirtableのPATを発行する際は、このベースを必ずアクセス対象に含める必要があります。
Benchmark Emailの構成
使用リスト
- リスト名:
automation create list(任意の名前をつけて下さい)

n8n実装
全体構成

構成は以下の3ステップ:
- Airtable:新規レコード作成を検知
HTTP Request(GET):Benchmarkのリストを取得(ノード名をget listに変更)HTTP Request(POST):取得したリストIDに顧客を追加(ノード名をAdd Contactに変更)
各ノードの設定
Airtable Trigger
このノードでは、Airtableの特定テーブルに新しいレコードが追加されたことをトリガーにします。
設定内容
設定内容は以下の通り:
Credential to connect with:
Credential to connect withセレクトボックスを開き「+ Create New Credential」を選択するとAirtable accountダイアログが開きます。

Connect usingから「Access Token」を選択し、Access Tokenを設定します。*Airtableで発行したPATを貼付

✅ ポイント:これらが正しく設定されていないと、接続エラーになります。
Poll Times > Mode:
毎分チェックする設定します。今回はEvery Minuteを設定(必要に応じて時間間隔を調整できます)
Base:By URL を選択し、対象のAirtableベースURLを入力します。AirTableのBase画面を開いてURLを取得していただければOKです。
例: https://airtable.com/appQXtmoCDqjSRoVc/tblumxX9wPW50UDh6/viws3ttRPWaRXmCck?blocks=hide

Table:By ID を選択し、テーブルIDを指定します。テーブルIDはAirTableのBase画面URLの一部として表示されています。URLのtblから始まる文字列(下記例の赤文字部分)を貼り付けて下さい。
例: https://airtable.com/appQXtmoCDqjSRoVc/tblumxX9wPW50UDh6/viws3ttRPWaRXmCck?blocks=hide
Trigger Field:Emailを指定します。この設定により、「Email列が埋まった新規レコードだけがトリガー」になります。
Airtable接続でエラーになる場合の注意点
接続エラーが出る場合は以下を確認:
- PATのスコープに
data.records:readが含まれているか - 対象のベース(
Customer CRM)がPATのアクセス対象に含まれているか
Airtable Trigger動作確認
Fetch Test Eventボタンを押して、動作確認しましょう。

動作確認が成功した場合、AirTableのCustomer CRMベースのContactsテーブルに登録されている最新のデータがOUTPUTとして表示されます。
Benchmark Email リスト取得ノード(GET)
このノードでは、Benchmark Emailに登録済みのリスト(メーリングリスト)を取得します。次のステップ(Contact追加)で必要な「リストID」をここで取得します。
設定内容

設定内容は以下の通り:
- Method:
GET - URL:
https://clientapi.benchmarkemail.com/Contact/ - Authentication:
None - Send Headers:ON(トグルスイッチを有効に)
- Specify Headers:
Using Fields Belowを選択 - Header Parameters:
Name:AuthTokenValue:Benchmark Emailで発行したAPIキー
✅ ポイント:BenchmarkはOAuth認証ではなく、AuthTokenヘッダーでのAPIキー認証です。
動作確認
Test Stepボタンを押すと動作確認ができます。動作確認に成功するとBenchmark Emailに登録されている複数のリスト(メルマガグループ)がOUTPUTにJSON形式(表示はSchema, Tableで切り替えが可能)で返ってきます。

Benchmark Email Contact追加ノード(POST)
このノードでは、Airtableから取得した顧客情報(Email・Name)を、リスト取得ノードで取得したリストに追加します。
設定内容は以下の通り:
- Method:
POST - URL:
https://clientapi.benchmarkemail.com/Contact/{ListID}/ContactDetails
※{ListID}の部分には、リスト取得ノード(GET list)の出力をInputからドラッグ&ドロップで挿入します。 - Authentication:None
- Send Headers:ON
- Header Parameters:
- Name: AuthToken
- Value: BenchmarkのAPIキー
- Send Body:ON
- Body Content Type:
JSON - Specifiy Body: Using JSON
- Body Content Type:
Body(リクエストボディ)設定例:
{
"Data":
{
"Email":"{{ $('Airtable Trigger').item.json.fields.Email }}",
"FirstName":"{{ $('Airtable Trigger').item.json.fields.FirstName }}",
"LastName":"{{ $('Airtable Trigger').item.json.fields.LastName }}",
"EmailPerm":"1"
}
}
📌 EmailPerm の意味について
Benchmark Emailにコンタクトを登録する際、EmailPerm フィールドはメール配信の許諾状態を示します。そのため、コンタクトリストにコンタクトを登録したい場合は「1」を設定します。
"1":このコンタクトは明示的に配信許可を得ている(opt-in済)という意味"0":未許可状態(登録されない、あるいは後で確認メールが必要になる可能性)
🔗 入力値は 必ず Input からドラッグ&ドロップで設定することを推奨します
n8nでは、JSON内の値を直接手入力({{ $(‘Airtable Trigger’).item.json.fields.Email }}など)することも可能ですが、次の理由からドラッグ&ドロップによる設定を推奨します:
- タイポ(スペルミス)や構文エラーを防止
- 実際にどのノードのどの出力を使っているかが明確になる
- 保守性が高まり、ワークフロー全体の見通しがよくなる

💡応用ポイント(中級者向け):
- GET list ノードで「リスト名」によるフィルタリング(特定のリストだけ選ぶ)
- 重複コンタクトがある場合にスキップ or 上書き設定を加える
ワークフローの動作確認
Test workflowボタンを押して、ワークフローの動作を確認します。

図のように3つのノードで緑のチェックがつけば成功です。
Benchmark Emailのautomation create listを確認するとAirtableに登録しているContentが表示されていることを確認できます。

まとめ
このワークフローを活用すれば、Airtableで顧客を追加するだけで、Benchmark Emailの配信リストに自動登録され、配信準備が即整います。
n8nの魅力は、「この構成に限らない」こと。Notion、Google Sheets、Slack、Gmailなど様々なSaaSと自由に連携でき、再現性・拡張性の高い業務自動化が可能になります。
まずはこのシンプルな連携から試し、自社の業務に合わせてどんどん広げてみてください!




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